かるたの聖地と呼ばれる大津市の近江神宮で7月下旬、高校生による競技かるたの全国大会が開かれる。その中に、小倉百人一首の競技かるたへの情熱を描いた人気漫画「ちはやふる」さながらに、生徒が同好会を立ち上げ、大舞台をつかんだ初出場校がある。あきらめかけた一人の夢を仲間の熱意が動かした。
「ナイス」「落ち着いて!」。6月下旬、千葉県市川市にある市川高校の柔道場で、競技かるた同好会の生徒たちが真剣な表情で百人一首の札を見つめていた。取り方や並べ方など、互いに気づいたことはその場で指摘し、明るい雰囲気に包まれた。
同校は私立の中高一貫校で、中学では学年別の百人一首かるた大会を開いている。
高校1年の江原慶吾さんは中学1年のときから、「ちはやふるの映画を見て、どうしても競技かるたをやりたい」と思っていたが、同校にかるた部はなかった。身近には競技経験者もいない。見よう見まねで札を取っていたとき、人づてに競技かるたの経験者が校内にいると聞いた。
一緒にかるた、やってください!
「ちはやふる」は漫画家の末…